日本看護系大学協議会会員校教員を対象としたＥＢＮに関する意識調査

（２）看護教育に関する調査結果

　

　

　

　

【目　的】　EBNに対する看護系大学教員の意識を調べるために全国調査を実施した。ここでは第１報に引き続き看護教育に関する調査結果の一部を報告する。　　

【対象と方法】　調査対象は、平成13年度の日本看護系大学協議会会員名簿に記載されている3155名とした。調査内容は、対象者の一般的属性（性、年齢、職位、専門領域など）、EBNに関する知識、授業・研究とEBNとの関係に関する項目など51項目である。調査は、質問紙を用いた郵送法で行い、調査票の発送は平成13年11月下旬から12月上旬に行い、調査票の発送後約２週間後に調査の礼状件督促状を送付した。調査票の回収は平成14年１月下旬まで行った。回収数は1170名であり、回収率は37.1％であった。回答者は、男性198名、女性961名、性別不明11名、平均年齢は男性51.1歳（SD10.3歳）、女性41.7歳（SD10.4歳）であった。分析には主にHALWINを用いた。

【倫理的配慮】　調査は個人への郵送法であるため回答は自由意志によっておこなわれている。また無記名式かつ調査項目の組み合わせでも個人が識別できないように配慮した。

【結　果】　講義が科学的であるかという質問に対し「はい」と回答をしたものは、アセスメントでは23.9％、看護診断13.6％、看護計画16.5％、看護援助20.1％であった。実習指導が科学的であるかという質問に「はい」と回答したものは、アセスメントでは28.1％、看護診断15.5％、看護計画20.9％、看護援助20.9％であった。表１、表２は、上記の質問について「はい」と回答したものを職位別に集計した結果である。

　　

　

【考　察】　科学的であると回答した割合は10％から20％台であり、講義、実習指導ともに看護診断が最も低い値であった。職位別分析では，講義について科学的であると回答した割合は各項目ともに教授が最も高く、助手が最も低かった。実習指導については看護診断以外の項目では教授が最も低く、講義と実習指導に対する認識が逆になっていることが示された。今後，他の項目も含めて，更に詳細な分析を行う予定である（本研究の一部は平成13・14年度科学研究費補助金（基盤研究Ｃ 課題番号13672447）による）。