韓国訪問記
初めての韓国は慶州での会議です。

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東邦大学
医学部看護学科

最終更新日：12/31/06

無断転載の禁止 (C)高木廣文

雨の韓国(09/09/01〜09/15/01)

初めての韓国旅行である。といっても、国際会議への出席が目的なので、韓国の中では大して動けないことは確かである。
この旅行は韓国で開催されるダイオキシン関係の会議への出席なのだが、招待のためなかなか飛行機の便が決まらず、直前まで何時に出発するのかも知らされていなかったのだから、困ったものである。
どこに泊まるのかも知らされていない。まあ、どっちみち一人ではないので韓国で途方に暮れるおそれはないはずである。

タイから帰国した翌日には、東京に一泊する予定にしていたので、おみやげや着替えなど、荷物の再パッキングに大忙しであった。 北タイは涼しかったのに、新潟の方が暑いとは！

東京は台風が近づいているためか、雨模様である。
釜山行きの大韓航空機は、成田空港第一ターミナルである。いつも乗る飛行機は第２ターミナルから出発なので、やや勝手が違う。

成田エクスプレス内で偶然、今回同行する中井君に出会う。また、降りると林君とも会い、今回の韓国行きの同行者が揃ったことになる。
実際にはもっと多いのだが、飯を一緒に食べるのはこのメンバーだと思う。何しろ、私ときたら今日泊まるホテルする定かではないのだから。

３人まとめてチェックインを済ませ、空港内のカフェでコーヒーと簡単なスナックをとり、出国手続きに向かう。
７月から日本人は出入国カードの記載が不必要になったので、かなりの時間短縮になっているようである。
大韓航空機のゲートで時間が来るまで待っていると、隣のシカゴ行きの搭乗手続きでパスポートをチェックしている。

普通は、機内への搭乗時はボーディングパスだけをチェックするのに、いやに厳しいなと思ったが、我々の方は何もチェックせずに素通りで、ちょっと拍子抜けという感じであった。

釜山の金海空港までは２時間程度であるが、一応国際線なので食事が出た。 まず、飲み物にはビールを頼み、全て平らげてしまった。
そんなにおいしいというものではないが、不味いと言うこともない。お寿司が主なので、お酒のつまみだと思って食べるにはちょうど良かった。

無事、韓国に到着したのだが、あいにくの雨である。
金海空港から慶州までは高速バスで１時間くらいの所である。雨の中をボーとバスが来るまで待っていた。
もう少し大人数のグループはタクシーと交渉して、一人当たりバス代（9,000ウォン）の倍くらいの値段で行ってもらっているようである。
我々は急ぐ旅でもないので、バスに揺られて一路慶州を目指した。もっとも雨で夕方になり、ほとんど周囲がどのようになっているのか分からず、ちょっとがっかりであった。

実際には、我々が泊まったコンコルドホテルは、慶州の市街から結構離れた観光団地内にあり、我々が到着したときには結構遅くなっていた。

雨降りであり、食事のできる場所を探すのは面倒なので、ホテル近くの湖畔という食堂で食事をした。結構涼しくて、しかも閑散としており、韓国初日の食事はあまり印象に残っていない。

10日からはダイオキシン2001の会議である。手ぶらで出かけ、リュックサック一杯の抄録類をもらう。異様に重い。これでは行動できないので、必要な抄録だけ抜き出して、他のものは全て破棄することにする。
抄録と一緒にＣＤももらったので、これさえあれば、紙の出力は不必要である。便利な時代になったとつくづく感心する。

夕食は、近くの焼肉屋に行く。 とにかく韓国に来たら焼肉である。ちょっと軽薄であるが、カルビ焼き（プル・カルビ）である。
カルビ３人前を頼み、あとはビール（メクジュ）チュセヨである。
驚いたのは、頼んだのはカルビだけなのだが、小皿が10皿以上出てきたことである。キムチ、カクトゥギ、サンチュ、マヌル（ニンニク）、胡麻の葉、細ネギの炒めたもの、辛子味噌、などである。
これらの小皿のものは食べ放題である。なくなったら、いくらでも追加できる。
焼けたカルビをサンチュに乗っけて、辛子味噌とニンニクを乗せて、あとはネギなどを適量入れて、巻いて食べるとこれは滅茶苦茶うまい。ビールががんがん飲めてしまう。
あまりビールばかりでは飽きてしまうので、焼酎（ソジュ）を頼む。チャムとかいう、ちょっと甘いが飲みやすい焼酎をずいぶん飲んでしまう。

結局、カルビを３人で５人前食べて、至極満足して宿に帰ることになった。
しかし、ちょっともの足りないので、ホテルでちょっと飲むことにする。

私と林君は、バレンタインのオンザロックを頼む。しかし、何を考えたのか中井君は写真のようなとんでもないカクテルを注文した（お任せだけれども...）。
中にアイスクリームが入っているなかなかシュールな飲み物である。 もっとも甘過ぎて、私には耐えられないものであるが。

とホテルの係りの人がやってきて、何やら日本語で話しかけて来るではないか。
これが馬鹿げた話で、我々の飲んでいるバレンタインは12年がなかったので、17年ものを使ってしまった。断らずに勝手に17年物を使ったのは、ホテル側の非なのだが、少しは料金を払ってくれないかという申し出であった。
本来払う必要はないと思えるが、人がよい我々は余りにかわいそうなのこともあり、まあ12年物と17年物の真ん中当たりの料金を払ってあげた。

韓国に来たことを大学院の同僚だった李誠國先生に伝えると、忙しい時間をやりくりしてくれて、わざわざテグ（大邸）からキョンジュまで我々に会いに来てくれた。

午前中はちょっとだけキョンジュの遺跡巡りである。 とにかく古墳ばかりの古墳公園に行く。
ここは、古墳の中に入れる天馬塚である。中には、古墳の中の様子や副葬品などが展示されている。
ちょっと見た目には、日本のものと何ら変わりなく、韓国語がなければ日本の物と間違えるのではないかと思う。

古墳見学の後は、昼食である。
とにかく全て李先生にお任せである。韓定食を食べようと言うことで、李先生が専門店に連れて行ってくれた。

通された部屋は何もない部屋であった。我々は、座布団を敷いてどうしたものかと待っていると、何とテーブルごと料理が運ばれてきた。
韓定食とは写真の用に、テーブルの上に25皿以上の料理を乗せて運ばれてくるのが普通のようである。
実際には李先生がさらにプルコギも頼んだので、もの凄い量の昼食になった。
私が気に入ったのは、辛子味噌の豆腐みそ汁である。これはうまい。案外、以外なのはキムチがあまり辛くないことである。
まあ、ここでも焼肉をサンチュで包んで食べたが、これが実にうまい。
ただ、ちょっと思ったのだが、李先生とお店の人との会話を聞いていると、まるで喧嘩をしているように威勢がよい。韓国語は破裂音が多いせいであろうか？

食後は李先生の運転で、石窟仏を見学に行く。
結構高台にあり、登山口の辺りからは、下に仏国寺の周りの商店街が見える。

かなり上り坂を歩いていく。雨は止んでおり結構涼しいので、それほど大変ではない。日本からの観光客も多いが、韓国国内からの観光客も結構いるようである。
慶州は日本の京都のように、韓国の古都（新羅時代）なのでかなりの観光客が集まるのである。
雰囲気は京都というよりも、奈良に近い。もともと奈良（ナラ）という言葉は、韓国語で「国」のことなのだから、似ていて当たり前である。
山を登ったところに石窟があり、そこに仏像があるのだが、これは撮影禁止になっていた。 仕方がないので、外側の雰囲気を感じ取れるように撮ったのだが、どんなものだろうか？

李先生がまだ時間が早いので、海を見に行こうと言うので、一路海へと向かった。

慶州の近くの海と言えば日本海であるが、韓国では東海（トン・ヘ）と呼ばれている。
我々はカンポ（甘浦）へと向かった。 台風の影響で、海は高波である。 ここは海辺の店であるが、結婚式なども行われるようである。
写真では今ひとつ分かりにくいが、全体としては船の穂先のように作られている。店内からは荒れた海が見えて、結構こんな天気なのに人でにぎわっていた。
コーヒーは結構うまかった。

再び慶州に戻り、李先生とは11月の民族衛生学会の時に、沖縄で再会する約束を交わして分かれた。

夕食は学会のレセプションがあったので、それに出席することにした。しかしながら、この手の宴会料理は不味くはないけれど、とくにどうということのない料理である。
適当に食べて、ホテルの部屋に戻ることにした。途中のコンビニで、ビールとチャム（焼酎）を買い、部屋でBSでやっているスティーブンキングのシリーズものを見ることにした。
物語は、平穏な村に悪魔がやってきて、いざこざを起こして去っていくという内容であり、あまりパットしたものではなかった。

番組が終わったので、他のチャンネルを回すとニューヨークの貿易センタービルが写っている。何かと見ていると、煙がもくもくとあがっており、どうやら飛行機が突っ込んだようである。
まるで、映画の特撮を見ているようである。どうやらテロのようだが、どうなっているのであろうか。
ああ、あのときの飛行機の搭乗時のチェックはこのためだったのかと変に納得してしまった。

今日は、午後は学会主催のツアーであるが、申し込んでいなかったで勝手にちょっとだけ観光することにした。

ということで、近場の仏国寺（ブッククサ）に行くことにした。
３人でタクシーで行ったのだが、何とタクシーの運転手さんが半端な金額を負けてくれた。やはり、少しでも韓国語を話すとよいのだろうか？
とりあえず、仏国寺に着いたのだが、まずは昼食、ということで近くの食堂まで戻ることにした。
とくに大した食事ではなく、仏国寺の観光である。
写真に写っている階段を登ると、そこが浄土だそうである。もっとも、現在階段は使用禁止なので、我々は横の方から坂を上っていかなければならない。
当たり前だが、日本の寺と同じである。ややお参りの仕方に差があるようだが、私も一応お参りをした。仏像は残念ながら撮影禁止である。

ホテルへの帰りは、バスを利用してみた。
結構バスの利用は面倒くさい。大体がどこへ行くのかが分からないので不安であるし、金額がどのくらいなのかも分からない。まあ、しかし何とかなるものである。
我々はホテルよりも若干手前で降りて、近隣の探索に出かけた。主に食堂とお土産屋などのチェックのためであるが、以外と近くに食堂街があることが分かった。

夕食は、一端ホテルに戻り、昼間探索した近場の食堂行くことにした。
どこがおいしいのか事前情報がないので、何となく良さそうなところに入った。何を食べるあてもなかったが、鍋を食べていないと言うことで、本日は海鮮鍋（ヘムルタン）を食べることにした。
相変わらず、頼みもしない小皿が結構並べられる。キムチとカクトゥギは好物なので、ばくばく食べる。日本の唐辛子に比べると全く辛みを感じない。どうなっているのだろうか。
肝心の海鮮鍋は、辛子味噌味のまあおいしい部類だと思うのだが、あまり記憶に残っていない。（大したことはないのかな？）

帰りがけにビールと焼酎を買って帰る。
林君が一緒にのもうということなので、部屋でぐでんぐでんになるまでのんでしまった。

今日はまじめに会議に出て、昼食は近場の食堂で冷麺（ムル・ネンミョン）を食べる。
やたら時間がかかったが、スープに大きな氷（スープを凍らせたもの）が入っており、かなり美味であった。

明日は帰国ということなので、今日は雨の中を慶州見物に出かけた。

ここは、博物館である。雨にも関わらず多くの修学旅行生（日本人もいるが韓国人が大部分）が訪れていた。
屋内の展示物は、もう日本のものと寸分違わぬものばかりなので、以下に日韓の関係が濃かったかを再認識することになった。
韓国の女子学生から、声をかけられたがあまりのことで対応ができなかった。
何しろいきなり「ありがとう」と言われたのだから、返す言葉もなかった。
もうちょっと勉強してね。

林君の希望で、世界初の天文台を見に行くことになった。
雨の中を歩いていくと10分程度で着いた。料金を払って中に入ったが、実際には囲いの外から見るだけで十分であった。

土産物屋などを見ながら、昼食のために平壌冷麺屋を探し歩いた。
冷麺は北が本場なので、平壌なのだろう。

繁華街の中を若干歩き回り、ついに目指す冷麺屋を発見した。
私は、ビビン・ネンミョンを頼む。

３枚の写真はビビン・ネンミョンの作成過程を写したものである。
まずは、麺の上に辛子味噌、野菜類、卵などが乗っていることが分かるだ ろう。
まずはさみで麺を切る（このシーンは写されていない）。
その後、猛烈な勢いで全てをかき混ぜる（ビビン）という訳である。
できあがりを食べるということになる。思ったよりも辛くなく、少し甘みを感じる。
もともと韓国の唐辛子は辛くないのだが、うま味を出すために若干甘みを加えているように思えるのだが、どうなのだろうか？
まあ、期待していたような味ではあった。

食後は歩いて、バスターミナルまで行き、明日のバスの確認をしてきた。
近くに市場があると言うことで、フィールドエピデミオロジスト（Field Epidemiologist）としては市場を見ないわけにはいかない。

市場の中は、服、野菜、肉、魚、香辛料やらが豊富に売られていた。
何となく薄暗い感じであるが、ものは豊富である。
市場の中を歩いていると、食べ物を売っている店があった。そのときは、うまそうなうどんが湯気を立てていた。おそらく、これとキムチ、若干の焼肉などとともに食べるのであろう。腹が一杯でなければ食べたかった。

夕食は、またプル・カルビを腹一杯食べた。今宵が韓国の最後の夜と言うことで、ビールにチャムで焼肉を思う存分食べた。

朝８時のバスで金海空港に向かう。
空港はテロの影響もあり、何となく雑然とした感じがしたが、とくに何の問題もなく、出国手続きを終え、日本にたどり着くことができた。

旅のはじめから終わりまで、太陽の照る日がなく、初めての韓国旅行は雨の中であった。
タイからすぐに韓国に行ったせいか、韓国の食事が思いの外、辛くなく、何となくがっかりした部分もあった。これは、日本人だと思って辛さを抑えられた結果なのか？
実際の所、韓国料理は辛いのだろうか？

ﾄｯﾌﾟﾍﾟｰｼﾞ
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最終更新日：12/31/06

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